1米イラン2週間停戦合意で米株式は歴史的リリーフラリー。ダウは+1,312pt(+2.82%)と2025年4月以来の最大上昇幅を記録し47,847.36。S&P 500は+2.50%の6,737.50、NASDAQは+2.80%の22,605.93。Russell 2000も+3.03%と中小型株が大きく反発した。半導体ETF(SMHSMH(VanEck Semiconductor ETF)米国上場の半導体株に投資する代表的ETF。NVIDIA、TSMC、Broadcomなどを主要構成銘柄とし、半導体セクター全体の動きを示す。 +4.55%)とテクノロジーXLK(Technology Select Sector SPDR)S&P 500のテクノロジーセクター連動ETF。Apple/Microsoft/Nvidiaなど主要IT銘柄を組入。(XLK +3.82%)が主導し、リスクオン全開となった。
2原油WTIWTI / Brent(原油指標)WTI(West Texas Intermediate)は米国産、Brentは北海産の代表的な原油指標。WTIは米国市場、Brentは国際市場のベンチマーク。は$115→$94へ-18.32%の歴史的急落。Brent原油も連動して下落し、エネルギーセクター(XLE -2.51%)は唯一マイナス。VIXVIX(恐怖指数・Volatility Index)S&P 500オプションの予想ボラティリティを示す指数。20以下が平穏、20〜30が警戒、30超が恐怖、40超がパニックの目安。は24.50→19.50へ-20.4%急低下、米10年債利回りも-10bpで4.22%へ低下し、安全資産から資金が流出した。USD/JPYは159.20と小動き。
3デルタ航空Q1決算は売上ビート($14.2B vs $13.94B予想)でEPSは$0.64と一致、Q2ガイダンスがコンセンサス($1.41)を上回る$1.00-1.50と発表したが燃料費$2B増を計上。原油急落と相まって株価は寄り付き+8%超。Metaが新AIモデル「Muse Spark」を発表し、Llama路線からプロプライエタリへの戦略転換が話題に。
米イラン2週間停戦合意でダウ+1,312pt — 2025年4月以来の歴史的リリーフラリー
トランプ大統領は4月7日深夜、米イラン両国がパキスタン仲介の2週間停戦に合意したと発表した。米国とイスラエルがイランへの攻撃を停止する代わりに、イランはホルムズ海峡ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)世界の海上石油輸送の約20%が通過するイランとオマーンの間の狭い水路。を再開し船舶の安全通航を保証する。これを受け4月8日の米株式市場は歴史的リリーフラリーとなり、ダウは+1,312pt(+2.82%)と2025年4月以来の最大上昇幅を記録。S&P 500は+2.5%の6,737.50、NASDAQは+2.8%の22,605.93。原油WTIWTI(米国産原油)米国西テキサス産の代表的な原油先物指標。は$115→$94へ-18%の歴史的急落、VIXVIX(恐怖指数)S&P 500オプションの予想ボラティリティ指数。も24.5→19.5へ-20%急低下。10年債利回りも-10bpの4.22%へ低下。次回交渉はパキスタンのシャリフ首相主催で4月10日(金)にイスラマバードで開催予定。ただしイスラエルとヒズボラの戦闘は停戦に含まれず、火種は残る。
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「夏場ラリー」シナリオの蓋然性 — 半導体・利下げ・PER圧縮の三重奏
イラン情勢で押し下げられた相場が、AIインフラ需要と利下げ期待で反転攻勢へ。3つの要因を整理する
これまでの3〜4月の調整局面は、明らかにイラン情勢が主因だった。S&P 500はピークから-4.6%(Q1終了時点)まで押され、半導体・テクノロジーが特に売り込まれた。しかし4月8日の停戦合意でこの「地政学プレミアム」は急速に剥落しつつある。Atlas編集部は、ここから夏場にかけて相場がラリー局面に入る可能性が高いと見ている。理由は3つある。
理由1: AIインフラの爆発的成長と「払い手」「受け手」の業績
半導体・AIインフラ関連企業の業績は過去最高水準を更新し続けている。TSMC(TSM)はFY26 +38% YoY売上成長見通し、Q1 2026決算は4月16日に発表予定。Applied Materials(AMAT)、Micron(MU)、サムスン電子、SKハイニックスといったメモリー・装置メーカーも揃って強気ガイダンスを出している。前日のAnthropic-Google-Broadcom 3.5GWTPUTPU(Tensor Processing Unit)GoogleがAI向けに開発した独自カスタムASIC。ディールは、AIインフラの「払い手」(ハイパースケーラー+AIラボ)と「受け手」(チップメーカー+装置メーカー)の利益配分構図がより明確になったことを示す。FactSet最新データでは、S&P 500のQ1 2026 EPS成長率は+13.2% YoYで、6四半期連続二桁成長という近年最強のサイクル。
理由2: PERの圧縮とアーニングス・イールド・ギャップ
3〜4月の調整によりS&P 500のフォワードPERフォワードPER(Forward P/E)今後12ヶ月の予想EPSで計算される株価収益率。将来の利益期待を反映したバリュエーション指標。は22倍台→20倍前後まで圧縮された。一方でEPS成長率予想は12.8%→13.2%へむしろ上方修正されているため、PEGPEGレシオ(Price/Earnings to Growth)PERをEPS成長率で割ったバリュエーション指標。1未満で割安、1超で割高の目安とされる。ピーター・リンチが広めた。レシオ(PER÷成長率)でみれば歴史的には決して割高ではない水準。10年債利回り4.22%とアーニングス・イールドアーニングス・イールド(Earnings Yield)株式のEPSを株価で割った値(PERの逆数)。債券利回りと比較して株式の相対的割安度を測る指標。(1/PER ≒ 5%)の差も0.78%程度のスプレッドが残っており、株式の割高感は薄い。NASDAQ・S&P 500のEPS成長率データ(FactSet)はこの「圧縮されたバリュエーション + 過去最強の成長率」という珍しい組み合わせを示している。
理由3: FRBの利下げ余地(年内1回見通し)
原油$94への急落により、インフレ再燃シナリオは大幅に後退。CPICPI(Consumer Price Index・消費者物価指数)米労働省が毎月発表する物価指数。FRBの金融政策判断の中核データ。(4/10発表)の結果次第だが、FRBは年内1回の利下げ余地を残せる構図。VIX 19.50台への急低下、10年債利回り-10bpという市場の動きはこれを織り込みつつある。利下げ観測の強化はリスク資産全般のバリュエーションを押し上げる材料となる。
結論: 夏場ラリーの3つの蓋然性条件
①Q1決算シーズン(特に4/16 TSMC・Netflix、4月後半の大手テック)がコンセンサスを上回る、②CPIが想定内に収まりFRBの利下げパスが維持される、③イラン停戦が2週間後も延長される、の3条件が揃えば、S&P 500は夏場までに7,000台、場合によっては7,500台への上昇余地が見える。一方でリスクシナリオ(停戦破綻+CPI上振れ+決算失望)となれば6,300台まで再度押し戻される可能性もあり、来週からのQ1決算と4/10 CPIが分水嶺となる。本日の急騰がフォロースルーデイフォロースルーデイ(FTD)調整局面の底打ち後、出来高増加を伴い主要指数が+1.25%以上上昇する日。William O'Neil考案のトレンド転換シグナル。(後述キーワード)の技術的条件を満たすかどうかにも注目したい。
※本稿は特定の有価証券の売買推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いします。
ただしFTDは「必要条件」であって「十分条件」ではない点に注意。FTD後に新たな下落が始まる「失敗FTD」も多く、FTD後数日〜数週間の値動きで本物かどうかが判定される。