1NASDAQが12連騰で2009年7月以来の記録更新、S&P 500・NASDAQ・ダウ揃って史上最高値。S&P 500は7,041.28(+0.26%)、NASDAQ総合は24,102.70(+0.36%)、ダウ平均は48,578.72(+0.24%)で3指数が揃って史上最高値を更新。特にNASDAQは12営業日連続高となり、2009年7月以来最長の連騰記録。TSMCの決算が業界全体のAI需要楽観論を再燃させ、テクノロジー株主導の上昇となった。
2VIXは低水準でもSKEWSKEW指数(テールリスク指標)CBOEが算出する、S&P 500オプション市場における「3シグマ級の下落発生確率」を数値化した指数。値は通常100〜150の範囲で、100が極端な下落リスクを織り込まない状態、150が歴史的に高い下落確率を織り込み中の状態。は歴史的高水準、「沈黙の危機」シグナルが継続点灯。米10年債利回りは約4.31%、2-10年スプレッドは約+0.50%で正常化。VIXは18.17(-1%)と低水準が続き、表面的には落ち着いた相場。一方、SKEW指数(テールリスク指標)は4月8日時点で150.36と歴史的高水準に達しており、プロ投資家は極端な下落シナリオをヘッジし続けている「沈黙の危機」的状態を示唆。
3イラン和平交渉は膠着、ダイモン・パウエル両氏がインフレ警鐘。イラン和平交渉が進展観測で原油は落ち着きを取り戻し、WTIは$92.56/バレル前後。トランプ大統領は「戦争終結に近い」と発言するも、イランはウラン濃縮20年停止の米国案を拒否し5年で反提案、米国側が拒否という膠着も。ドル円は159.24まで円安が進行。JPモルガンのダイモンCEOは「インフレはパーティーの招かれざる客」と警鐘を鳴らし、パウエルFRB議長も関税起因インフレの減速が未達なら利下げは「保証されない」と明言。
TSMC第1四半期決算、純利益58%増で過去最高更新 — AI需要「極めて旺盛」、2026年CapExは上限の560億ドルへ
TSMC(台湾積体電路製造)は4月16日、2026年第1四半期決算を発表。売上高は新台湾ドルで1.134兆元(約357億ドル)と前年同期比+35.1%、純利益は5,725億元(+58%)で4四半期連続の過去最高。売上の61%をAI・HPC(高性能計算)が占め、3nm先端プロセスがTSMC総売上の25%に到達(2023年Q3は6%)。同社CEOのC.C.Wei氏は「AI需要は極めて旺盛」と表現し、2026年通期売上見通しをドル建てで30%超成長、設備投資は従来レンジ520〜560億ドルの上限へ引き上げ(80%を先端ノード2nmに集中)。Q2売上ガイダンスは390〜402億ドル(QoQ +10%)。Nvidia Rubin世代、AMD MI400、Google/Amazon/Metaのカスタムシリコン生産が「全てTSMC最先端ノードに集約」している構造が改めて確認された。
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NASDAQ12連騰は何を織り込み、何を織り込んでいないか
TSMC決算で強化された「AIサイクル継続」シナリオと、その前提となる3条件の再点検
4月16日のNASDAQ12連騰は、2009年7月以来の最長連騰記録を更新した。市場はTSMC決算で改めて「AI設備投資サイクルは2026年下期〜2027年も継続」というシナリオを確信し、NvidiaとAMDを含む広義の「AIサプライチェーン全体」が買われる展開となった。しかし当編集部は、この上昇が3つの楽観前提に支えられていることを指摘しておきたい。
第一に「関税起因インフレは中盤で減速する」という前提。パウエル議長はこれを条件付きでしか認めておらず、進展が見られなければ年内利下げは「保証されない」と明言している。JPモルガンのダイモンCEOは前日、「インフレはパーティーの招かれざる客」とも表現した。関税 + 地政学 + 賃金上昇が複合的にコア・インフレを押し上げる構造は、まだ解けていない。
第二に「イラン和平が近い」という前提。トランプ氏の「終結に近い」発言とは裏腹に、ウラン濃縮停止期間を巡る米イ交渉は膠着が続き、ホルムズ海峡封鎖も維持されている。米国案「20年」vs イラン案「5年」という4倍差の開きは、交渉のフレームワーク自体が収斂していないことを示唆する。
第三に「AI設備投資の需要側実配備が滞らない」という前提。TSMCのCapEx引き上げは供給側の確信を示すが、NvidiaのBlackwell/Rubin世代を含むデータセンター投資額は、電力網・冷却・不動産といった「物理的制約」に直面しつつある。供給が整っても顧客側で捌ききれなければ、2027年以降のトップラインは想定より鈍化しうる。
SKEW指数が150を超える「沈黙の危機」シグナルは、これら3前提のいずれかが崩れたときに市場がどれだけ脆いかを機関投資家が計測し続けている証左だ。 記録更新を続ける市場の裏側で、この非対称リスクにプロが保険をかけ続けている事実は、一般投資家にとっても示唆に富む。目の前の上昇を楽しみつつ、ポジションサイズとヘッジ戦略を同時に見直すのが、今のフェーズで最も実践的な姿勢だろう。
編集部の見解: 4/18は土曜で米株式市場は通常休場。来週以降のUnitedHealth(4/21)、Tesla・IBM(4/22)などの決算を通じて、「AI楽観一辺倒」が他セクターの実体経済の重しに気づかされる局面が来るか否かを見極めたい。
※本稿は特定の有価証券の売買推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いします。
